
Androidゲーム機「ONEXSUGAR SUGAR1」は、折りたたみ式の2画面(デュアルスクリーン)構造と Snapdragon G3 Gen 3プロセッサを採用し、横型モデルから 2画面縦型モデルへと切り替えられるギミックを備えています。
ONEXSUGAR SUGAR1 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
ONEXSUGAR SUGAR1 について
ONEXSUGAR SUGAR1 に関する情報をまとめたページです。
ポータブルゲーミングPCで知られる One-Netbook社と、ユニークなデバイス開発で注目を集める Sugar Cube がタッグを組んで開発した製品です。
クラウドファンディングサイト Indiegogo で出資した実機です。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

ONEXSUGAR SUGAR1 は、国内正規版が販売されています。
カラーラインナップは、ブラック、ホワイトの全2色。
2025年11月下旬より順次発送予定となっています
以下は国内代理店ハイビームでの販売価格です。
・ONEXSUGAR SUGAR1
販売価格:108,000円
先行価格:97,200円
製品仕様とスペック
ONEXSUGAR SUGAR1 国内正規版のスペックについて詳しく見ていきます。
| 製品名 | ONEXSUGAR SUGAR 1 |
| メイン画面 | OLED(有機EL) 6.01インチ 解像度 1080 × 2160 18:9、マルチタッチ |
| サブ画面 | OLED(有機EL) 3.92インチ 解像度 1080 × 1280 8:7、マルチタッチ |
| OS | Android 14 |
| SoC | Snapdragon G3 Gen 3 |
| RAM | 16GB |
| ストレージ | 512GB |
| インターフェース | USB Type-Cポート microSDカード |
| その他 | コントローラー |
| ワイヤレス通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3 |
| バッテリー | 5400mAh |
| 大きさ | シングル画面 218.5 × 92 × 24mm(通常) 218.5 × 96.1 × 40.9mm(最大) デュアル画面 184.2 × 155 × 24mm(通常) 184.2 × 163.5 × 40.9mm(最大) |
| 重さ | 486.3g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ONEXSUGAR SUGAR1 のレビュー
ONEXSUGAR SUGAR1 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
パッケージ

おせんべいの一斗缶のような、特徴的なパッケージが目を引きます。
中央には ONEXSUGARブランドのロゴが大きくデザインされています。
付属品

1. 収納ケース
2. ACアダプタ
3. USB Type-Cケーブル
4. シール
5. スティックキャップ
製品版とは付属品の内容が異なる可能性があります。
大きさ・重さ

大きさは 218.5 × 92~96.1 × 24~40.9mm(シングル画面)、184.2 × 155~163.5 × 24~40.9mm(デュアル画面)、重さは 490g(実測値)です。
2画面変形ギミックを採用しているため、一般的なモデルと比べて厚みと重量感があります。
構造が複雑なぶん、成形精度や組み立て精度は残念ながらやや低めといった印象です。
サイズ感

参考として、PS Vita(PCH-2000)や Nintendo Switch を並べてみました。
ONEXSUGAR SUGAR1 のサイズ感がよくわかります。
横幅は Nintendo Switch に近いサイズですが、重さはおよそ 70g ほど重くなっています。
ONEXSUGAR SUGAR1 は、変形ギミックの構造上、厚みや重量が増しやすい設計になっています。

続いて、Newニンテンドー3DS LL を並べてみました。
ひと回り大きなサイズですが、重さはおよそ 160g ほど重くなっています。
任天堂から発売された携帯型ゲーム機(Switch 2 を除く)を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。この基準を ONESUGAR SUGAR 1 は満たしています。
インターフェース

上部に電源ボタンと音量調整ボタン、下部には USB Type-Cポート(フル機能・データ転送サポート)、左右にデュアルスピーカーが配置されています。
左右の LRボタン近くに見える正方形のボタンは、マウスモードボタン(画像左)と連射ボタン(画像右)です。

側面の片側には音量調整スクロールホイール、もう片側には microSDカードスロット、電源ボタンが配置されています。
ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3 を搭載しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、6軸ジャイロセンサーを備えています。

折りたたみ式の画面と両側のハンドルを上下に動かすことで、シングル画面とデュアル画面を切り替えられます。変形型4in1スタイルに加え、マグネット式の十字ボタンは着脱可能です。
変形時には合体ロボのような効果音が鳴り、遊び心をくすぐる演出となっています。
この効果音は設定画面の 4種類(効果音オフを含む)から選択できます。

アナログスティック周りと両側面に RGBライトエフェクトが搭載されています。
システム設定から LED のオン・オフや輝度調整、RGBカラー・エフェクトの変更が可能です。

背面には電源インジケータランプと内蔵ファンを備えています。
冷却能力に優れた静音タイプのデュアル冷却ファンが採用されています。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm 離れた位置での騒音レベルは測定不能で静かです。ファンモードをオンにした際の風切り音もかなり静かで気になりません。
画面

デュアルスクリーン構成(メイン画面6.01インチ+サブ画面3.92インチ)を搭載しています。
どちらも OLED(有機EL)で、メイン画面(1080 × 2160、18:9)・サブ画面(1080 × 1240、8:7)です。
10点マルチタッチに対応したスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。
ネイティブでポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは最大 60Hz です。

明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大503nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 60Hz、履歴全体の平均移動速度は 140Hz です。
メイン画面とサブ画面の輝度調整は、それぞれ独立して行うことはできません。
また、両画面間でわずかな色合いの違いが見られる場合がありますが、これは製品仕様の範囲内とされています。
ゲームアプリやエミュレーターに合わせて画面を選択できるため、画面サイズこそ異なるものの、用途に応じた柔軟な使い分けが可能です。汎用性の高さも大きな特徴といえます。
操作感

ONEXSUGAR SUGAR1 の操作感は、やや扱いにくいと感じました。
ABXYボタンサイズは 7.8mmで、1mm のストロークと短めで、マイクロスイッチとメンブレン方式を組み合わせた押し感が特徴です。
マグネット式の十字ボタンは簡単に付け外しができ、4in1スタイルに合わせて切り替え可能です。ただし、押し方によっては軸がずれたり傾いたりしやすく、操作時の安定感は正直いまひとつ。また、紛失してしまう可能性が高いため、本体側に収納スペースがあれば良かったかも。

アナログスティックにはホール効果センサーが搭載されており、指先にフィットするスティックサイズと可動域は評価ポイントです。一方で、持ち心地はあまり良くありません。本体に厚みがあるうえ、丸みもないため、全体的に持ちづらく快適さには欠ける印象です。
また、左右のコントローラーを上下に回転すると、SugarConsoleボタンなどの位置が反転するため、若干の慣れが必要になります。
4in1スタイルをセールスポイントにしますが、実際にはヒンジに明らかに負荷がかかるスタイルも含まれています。そのため、実用面では 3in1 と表現するのが正しいかもしれません。

変形機構を備えた革新的なデザインを実現している点は素晴らしい反面、成形精度や組み立て精度には不安が残ります。左右の可動部には削れや擦れが見られ、本体背面パーツの接着も甘く、外れてしまうことがありました。
また、シングル画面モードの横型スタイルでは可動部が邪魔になり、電源ボタンが押しにくいという難点があります。さらに、デュアル画面モードでは、LRボタンに手をかける位置にちょうど排気口があり、指先に排気風が直接当たります。

アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられません。
可動域についても顕著に気になるところもなく、測定結果も良好でした。
Androidゲーム機はエミュレーターアプリが豊富な反面、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細なスティック操作を必要としないゲームなら特に問題はないでしょう。
システム

Android 14 を搭載し、Google Playストアに対応しています。
必要最低限の標準アプリがプリインストールされていますが、一部のアプリは中国語のみに対応しています。

専用アプリ『シュガーコンソール』を用意しています。
アプリまたは SugarConsoleボタンを押すことで起動でき、表示設定やファンモード、RGBエフェクト、コントローラーなどの各種設定が可能です。

ディスプレイの解像度とエミュレーターなどの画面設定が一致していないと黒い帯(余白)表示されることがあります。この部分に表示させる余白を装飾できる設定も用意しています。
専用アプリは斬新なデザインを採用している一方で、実際に機能するボタンが分かりにくいという難点があります。デザインを切り替えられるスキンなどを用意すれば、この部分は改善できると考えられます。
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、Androidゲーム機としてはハイエンドクラス(記事執筆時点)です。
Snapdragon G3 Gen 3プロセッサを搭載しており、Antutuベンチマークスコア(V11)では 199万点台を記録しています。
動作するエミュレーターは幅広く、一般的なレトロゲームに加え、セガサターン、PSP、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita のタイトルを高解像度かつフルスピードで実行可能です。また、Wii U や Switch、PS3 向けタイトルも一部動作します。

競合他社の AYANEO Pocket S2 Pro と同等のパフォーマンスを発揮し、1画面だけでなく2画面表示にも対応しているため、これまでにないゲーム体験を楽しめる点が大きな魅力です。
ただし、一部のエミュレーター(Wii U など)では動作遅延や操作の不安定さが見られることもあり、エミュレーター側の最適化が求められるタイトルについては今後のアップデートに期待したいところです。
必ずご自身で吸い出したものを使用してください。
ゲームアプリ

デバイス負荷の高いゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』なども、グラフィック設定を「最高」にして快適に動作します。美麗なグラフィック表現とスムーズな描画を存分に楽しむことができます。

また、Steam Link や Xbox Game Pass を利用したリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめますが、画面サイズが 7インチ未満であるため、文字の視認性や操作性についてはある程度のトレードオフが必要です。
2画面モードにすれば、2つの異なるアプリを同時に起動できるため、攻略サイトや動画などを参考にしながらゲームを進めることが可能です。
まとめ

ONESUGAR SUGAR1 は、Snapdragon G3 Gen 3 を搭載した Androidゲーム機です。
最大の特徴は、デュアルスクリーン構成(メイン画面6.01インチ+サブ画面3.92インチ)を採用し、変形ギミックを備えた革新的なデザインを実現している点です。
左右のコントローラーはヒンジ構造によって上下に回転でき、ニンテンドーDSシリーズのように 2画面表示に対応しています。さらに、サブ画面を背面に折りたためば、横型ゲーム機のようなスタイルでもプレイ可能です。
一方で、競合他社にはない『変形・合体ロボ』的なギミックやロマンを優先した反面、操作感や持ち心地、専用アプリのユーザーインターフェース、さらには成形・組み立て精度などに課題が見られ、全体的な完成度には粗さを感じる部分もあります。
日常的に使用する実用モデルとして見ると、正直なところ厳しめの評価となってしまいます。
しかし、この独自のギミックやコンセプトに強く惹かれるユーザーにとっては、このクセの強さこそが大きな魅力であり、他では得られない価値を感じられる一台といえるでしょう。
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