中華ゲーム機「Miyoo A30」は、洗練されたデザインの横型モデルです。
ファミコンのゲーム用コントローラーのような本体デザインに、2.8インチ液晶ディスプレイを採用しています。主に定番レトロゲームを遊ぶことに特化したモデルです。
Miyoo A30 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
Miyoo A30 の価格・販売ストア
Miyoo A30 は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、全4色(レッドゴールド、ブラック、グレー、ブラック&ホワイト)です。
・Miyoo A30
販売価格:49.68ドル(送料無料)
※記事執筆時点の価格
メーカー公式ストアでは、定期的に販売が継続されています。
Miyoo A30 のスペック
Miyoo A30 のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | Miyoo A30 |
システム | Linux |
画面 | 2.8インチ、IPS、4:3、 解像度 640 × 480 |
SoC | Allwinner A33 1.3GHz |
RAM | 512MB |
ストレージ | microSDカード |
バッテリー容量 | 2600mAh(3-5時間駆動) |
インターフェース | USB Type-Cポート microSDカードスロット バイブレーション シングルスピーカー |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 2.4G |
大きさ | 127 × 58 × 15mm |
重さ | 115g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Miyoo A30 のレビュー
公式ストアで購入した Miyoo A30 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
1. 収納ケース
2. ユーザーマニュアル(英語・中国語)
3. microSDカード(64GB)
4. USB-C 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ
5. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
大きさは 127.5 × 57 × 16mm、重さは 112g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、『とっても軽い』です。
金属プレートを採用したファミコン風コントローラーデザインが特徴です。
個性豊かなカラーバリエーションがあるのも大きなポイントです。
通常サイズの横型ゲーム機よりも一回り小さく、持ち運びに便利です。
ビルドクオリティの個体差があり、組み立て精度に関しては注意が必要です。
サイズ感
参考として、PS Vita と ANBERNIC RG28XX を比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
Miyoo A30 | 2.8インチ | 127.5 × 57 × 16mm | 115g |
ANBERNIC RG28XX | 2.83インチ | 125 × 56.5 × 16.5mm | 123g |
実際のファミコンのゲーム用コントローラーに近いサイズ感です。
比較してみると、ANBERNIC RG28XX とほぼ一緒です。
インターフェース
インターフェースは、上部にメニューボタン、USB Type-Cポート、音量調整ボタンを用意し、下部に microSDカードを備えています。イヤホンジャックは非搭載ですが、付属の USB-C 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタを接続して使用できます。
本体正面のコントローラー右下部に、シングルスピーカーを搭載しています。
ボリューム出力は十分ですが、ややホワイトノイズが気になります。
右側には電源ボタンを用意しています。
ワイヤレス通信機能は Wi-Fi 2.4G にのみ対応しています。
外部映像出力は非搭載ですが、バイブレーション機能をサポートしています。
バッテリー容量は 2600mAh で連続3~5時間駆動です。
画面
スタイリッシュな外観はポイントですが、トレードオフの関係といえそうです。
2.8インチ液晶ディスプレイ(4:3)、解像度は 640 × 480、画素密度は 286PPI です。
ガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
画面はくぼんでおり、奥行きのあるデザインです。
不意な落下による画面を保護する構造となっている一方で、液晶保護フィルムを貼るのが難しく、汚れをふき取りにくくなっています。
画面の明るさを輝度(cd/m2)を測定したところ、最大105nit を記録しました。
明るさはかなり低めで、屋内では視認できても、屋外での視認は大変厳しいです。
画面サイズが小さいため、細かな文字の視認性については期待できません。
解像度とアスペクト比については、PSP(16:9)には適していないことに留意が必要です。
操作性
操作性については、賛否両論と評価します。
ABXYボタンサイズは 7.6mm、ストロークは 1.2mm で、ANBERNIC製品の標準仕様に近いボタンサイズとストロークです。
小さいながらもボタンサイズは大きめで、アナログスティックも搭載しています。
遊べるエミュレーターに最適化されたコントローラーを搭載しており、ユーザーが求める要素がうまく調和されています。
すべてのボタンは光沢のないマットな質感で、ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。十字キーとアナログスティックの近さについても、干渉が気になることはありませんでした。
ほぼ同じサイズの ANBERNIC RG28XX と比較すると、ボタンサイズが大きいため、指先だけでなく、指の腹でも十字キーや ABXYボタンをしっかりと判別できます。ただし、十字キーの高さは低め、入力の正確さや操作感が気になります。
アナログスティックは初期値では可動域が実際より大きめに設定されていました。
設定項目のキャリブレーションを再調整することで正常に動作します。
ボタンの押し心地については賛否両論ありますが、クリック感のあるカチカチといった押し心地ではなく、すべてポチポチといった感じです。L1 / R1ボタン、L2 / R2ボタンは押した際のストロークはかなり浅めで、押し込んだ際にグラつきがあります。
システム
Linuxベースのシステム(独自OS)を採用しています。
わかりやすい初心者向けのシステムで、初めてのユーザーでも使いやすいです。
エミュレーター機能については、簡単に起動ができる『ゲーム』と RetroArchベースの中級者向け『RetroArch』が用意されています。対応しているエミュレーターは同じですが、動作や設定に若干の違いがあります。
また、正常にテーマが変更できなくなることや ROM更新が動作しない、ゲーム中にメニュー画面を表示させることで動作が安定するなどといった挙動が確認されています。システム保護のためにも、付属の microSDカードのデータをバックアップすることをおすすめします。
有志による CFW(カスタムファームウェア)の開発も進んでおり、導入することでカスタマイズ性の向上や、システム全体が改善される見込みです。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、定番レトロゲームを遊ぶのに最適です。
主要スペックに Allwinner A33 を採用したモデルで、スペックシート上で比較すると Allwinner H700 を搭載した ANBERNIC RG28XX よりもパフォーマンスは劣ります。
スペックシート上では、動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーションが快適動作し、それ以上のスペックを求めるエミュレーターでの動作は厳しい感じです。
スペックに対して負荷が高めの NINTENDO64、PSP、ドリームキャストも動作しますが、すべてのゲームタイトルが快適に動作するスペックではありません。また、片側スティックのため、割り切って使用する必要があります。
現状の標準システムでは、快適に動作するはずのエミュレーターでも動作が重く感じられます。
CPU周波数を上げたり、コアを変更することで改善は見られますが、現時点では厳しく今後のシステムアップデートや CFW(カスタムファームウェア)が期待されます。
初期設定・使い方
Miyoo A30 の初期設定や使い方を解説します。
ここでは基本的な設定や使い方をご紹介します。
メニュー画面
標準搭載の独自UI は大きく6つのカテゴリに分けられています。
- 履歴:最近遊んだゲームを表示
- コレクション:コレクション
- ゲーム:各種エミュレーター起動
- RetroArch:RetroArchベースのエミュレーター起動
- プログラム:OpenDinguxベースのアプリ起動
- 設定:明るさ・音量・言語変更など
データ操作
データの追加・更新・削除をケーブル接続で実行できます。
- 「プログラム」を開く
- 「USB STORAGE」を選択
- 本体と PC をケーブル接続
- データ操作
メニュー画面でメニューボタンを押して「Rom更新」を忘れずに。
まとめ
Miyoo A30 は、洗練されたデザインのコンパクトな横型モデルです。
ファミコンのゲーム用コントローラーのような本体デザインにサイズ感、遊べるエミュレーターに最適化されたコントローラーなど、ユーザーが求める要素がうまく調和されています。
総合評価としては『期待値以下、コレクター向け』と評価します。
金属製プレートを採用したファミコン風のデザインとカラーバリエーションが特徴です。さらに、小さいながらも標準サイズの中華ゲーム機相当のボタンサイズを採用していることもポイントです。
標準搭載されているシステムの完成度が低く、エミュレーターでの動作が重いことが確認されています。また、スピーカーのホワイトノイズや本体の発熱、バッテリー持続時間、イヤホンジャックや外部映像出力の非対応にも留意が必要です。
実用的に使うというよりも、所有欲を満たすコレクター向けです。
現時点では、ほぼ同じサイズで性能が高い ANBERNIC RG28XX をおすすめします。ただし、今後のシステムアップデートやカスタムファームウェア(CFW)、製造ロットによる改善の余地が見られるかもしれません。
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