
中華ゲーム機「MagicX Zero 40」は、中華ゲーム機としては初めて縦型ディスプレイを採用した Androidゲーム機です。汎用性やスペックを重視するというよりは、特定のエミュレーターでの動作に特化した設計が魅力です。
MagicX Zero 40 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
MagicX Zero 40 について
MagicX Zero 40 に関する情報をまとめたページです。
公式ストアで購入した実機を使用しています。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

MagicX Zero 40 は、海外ストアを中心に販売されています。
カラーラインナップは、ホワイト、ブラックの全2色。
・MagicX Zero 40
公式ストア価格:75ドル(送料別)
記事執筆時点では、AliExpressストアが最安値(送料無料)です。
製品仕様とスペック
MagicX Zero 40 のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | MagicX Zero 40 |
システム | Android 10 |
画面 | 4インチ液晶ディスプレイ 解像度 480 × 800、3:5 タッチスクリーン |
SoC | Allwinner A133 Plus |
RAM | 2GB DDR4 |
ストレージ | microSDカード |
バッテリー容量 | 4300mAh (5~7時間駆動) |
インターフェース | USB Type-C × 2 microSDカードスロット × 2 デュアルスピーカー イヤホンジャック 振動モーター |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 4 Bluetooth 4.2 |
大きさ | 136 × 105 × 17mm |
重さ | 182g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
MagicX Zero 40 のレビュー
MagicX Zero 40 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. マニュアル(中国語・英語)
2. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ

大きさは 136 × 105 × 17mm、重さは 188g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、『普通』です。
コーティングのないマットな質感ながら、成形精度や組み立て精度は高いです。
ただし、質感のせいか、全体的にややチープな印象を受けます。
サイズ感

参考として、PSP go と並べてみました。
PSP go のスライドを開いた状態に近いサイズ感です。
縦型画面ながら、コンパクトで扱いやすいサイズ感にまとまっています。
ポケットサイズとまではいかないものの、持ち運びに適しています。
インターフェース

上部にはイヤホンジャック、USB Type-Cポートを用意しています。
USB Type-Cポートの一つは充電用(DC)、もう一つは外部機器接続やデータ転送用(OTG)として使用できます。
スピーカーはデュアルスピーカーで、音量や音質ともに良好です。
正面に配置されていますが、操作中に指で塞がないよう配慮された設計になっています。

本体の左側には音量調整ボタン、右側には電源ボタンと microSDカードスロットが配置されています。また、ワイヤレス通信機能としては、Wi-Fi 4 および Bluetooth 4.2 を搭載しています。
バイブレーション機能と外部コントローラーをサポートしています。
バッテリー容量は 4300mAh で、バッテリー持ちも良好です。

内蔵ファンは非搭載ですが、放熱のための排気口が設けられています。
長時間プレイしても、本体温度が気になることはありません。
画面

中華ゲーム機として初めて縦型ディスプレイを搭載したモデルです。
4インチ液晶ディスプレイ(3:5)、解像度は 480 × 800、画素密度は 234PPI です。タッチ操作に対応しており、スムーズな操作が可能です。
ベゼル幅は狭く、ニンテンドーDS の上下画面を同時に表示できるレイアウトが最大の特徴です。縦画面のアーケードゲームにも対応しているのも魅力です。

一方で、特殊な解像度とアスペクト比を採用して
そのため、画面サイズは小さく、汎用性にはやや欠ける印象です。
画面の輝度(cd/m2)を測定したところ、最大296nit を記録しました。
屋内では視認できますが、屋外の明るい環境では見にくい輝度です。

画面上部からスワイプ(もしくは G+R2)してクイック設定パネルを開けば、画面の回転も簡単に切り替えられます。また、バランスは良いとはいえませんが、スマホを挟み込むタイプのモバイルコントローラーに接続して遊ぶこともできます。
操作感

操作感は良好で、静音タイプのボタンを採用しています。
ABXYボタンサイズは 6.8mm、ストロークは 1.5mm で、主要なボタンはすべてメンブレン方式を採用。ボタンの側面が削れるような摩耗や、引っかかりも感じられません。
アナログスティックの高さもちょうど良く、ボタン操作やスティック移動の際に邪魔になることはありません。全体的に見ても、ボタンレイアウトはよく考えられた設計になっています。

L1 / R1、L2 / R2ボタンも指が届きやすい位置に配置されており、押しやすさと操作性のバランスが取れています。こちらも静音タイプのボタンを採用しています。
方向ボタンはマットな質感、ABXYボタンは光沢仕上げ、LRボタンには滑り止めのテクスチャー加工が施されているなど、細部にまで工夫が見られます。

背面はフラットなデザインながら、手のひらにしっかりフィットするように丸みを持たせてあり、長時間使っても疲れにくい設計です。
Androidゲーム機はエミュレーターアプリが豊富な反面、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細な操作を必要としないゲームなら特に問題はないでしょう。
システム

Android 10 を搭載し、独自のランチャー『Dawn』を採用しています。
Google Playストアには非対応で、標準的なエミュレーターアプリが最初からインストールされています。
ランチャー画面は大きく3つのカテゴリーに分かれています。
「Platform」でエミュレーターの切り替え、「Apps」でアプリの管理、「Settings」で各種設定の調整が可能です。

エミュレーターのコア変更をはじめ、ゲームリストの更新やスクレイピング、RetroArchのオーバーレイ設定など、細かなカスタマイズ項目も充実しています。
記事執筆時点では、ランチャーの対応言語は英語のみですが、直感的な操作ができ、設定項目も分かりやすいため、完成度は高い印象です。オンラインアップデートにも対応しており、今後の機能改善にも期待が持てそうです。
エミュレーター性能

エミュレーターの性能は、Trimui Brick と同等のパフォーマンスです。
主要スペックに Allwinner A133 Plus を採用したモデルで、Miyoo Mini や RG35XX よりも優れており、RG353シリーズに近いエミュレーターやゲームタイトルの動作が期待できます。
動作するエミュレーターは、一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーション、ニンテンドーDS が快適動作、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストがそこそこ動作するスペックを搭載しています。

スペック的には他のエミュレーターも動かせますが、APKファイルからのアプリ導入が必要だったり、汎用性の面では物足りなさを感じます。とはいえ、特定のエミュレーターに振り切った設計だからこそ得られる快適さもあるので、そのあたりをどう捉えるかで評価が分かれそうです。
画面の解像度やアスペクト比を考えると、ニンテンドーDS や ワンダースワン(カラーを含む)の縦画面ゲーム、縦型アーケードといった特定のエミュレーターを楽しむのに適しています。
設定・使い方

基本的な使い方は付属マニュアルに書かれています。
基本的なショートカットは、以下のとおりです。
- G短押し:戻る
- G長押し:ホームに戻る
- G+L2:アプリマネージャー
- G+R2:クイック設定パネル
- SELECT+音量:明るさ調整
ゲームデータ(ROM)を追加保存した後は、必ず「Settings」内の「Update game list and configuration」を実行してください。これを行わないと、新しいゲームがリストに反映されません。
まとめ

MagicX Zero 40 は、ユニークな縦型ディスプレイを採用した Androidゲーム機です。
特定のエミュレーターでの快適な動作を重視した製品コンセプトと、小型設計ながら操作感や持ち心地に優れたレイアウトが特徴です。
主に特定のエミュレーターを楽しむことに特化したモデルです。
ニンテンドーDS の上下画面を同時に表示できるレイアウトが最大の特徴です。4インチの小型画面ながらタッチ操作に対応しており、静音タイプのボタンを採用。システムや独自のランチャーによる直感的な操作性も大きな魅力です。
一方で、特殊な画面解像度とアスペクト比を採用しているため、汎用性に欠けます。
性能自体は他のエミュレーターにも十分対応できるスペックを備えていますが、専用設計による使い方の幅の狭さが気になる方には、やや不向きかもしれません。
また、個人的には画面サイズがもうひと回り大きく、独自ランチャーが日本語に対応すれば、さらに完成度が高まると感じています。これまでの中華ゲーム機にはなかった独自の形状と縦型画面を採用した、意欲的で挑戦的なモデルと評価します。
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MagicX Zero 40
公式ストア価格:75ドル(送料別)
※AliExpressストアが最安値(送料無料)
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