
ハンドヘルドPC「GPD MicroPC 2」は、両手持ちに最適化された本体サイズと重量 490g、180度回転して折りたためるヒンジ、豊富なインターフェースを特徴としたプロ仕様の 2in1モデルです。
GPD MicroPC 2 の価格、スペック、特徴、使用感、ベンチマークテスト結果についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
GPD MicroPC 2 について
GPD MicroPC 2 に関する情報をまとめたページです。
サンプル機を貸し出していただきましたが、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

GPD MicroPC 2 国内正規版は、国内の通販サイトで予約販売中です。
発売日は 2025年9月頃を予定しています。
・Intel N250モデル
予約価格:85,000円
・Intel Core-i3 N300モデル
予約価格:95,000円
アマゾン、デントオンラインショップ、ハイビーム公式オンラインストア、およびハイビーム実店舗にて、先行予約販売を順次受け付けています。
早期予約特典が付いてくるキャンペーンを実施中です。
正規販売店の Amazonストアでも同じ特典が付属します。
製品仕様とスペック
GPD MicroPC 2 国内正規版のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | GPD MicroPC 2 | |
ディスプレイ | 7インチ 解像度 1920 ×1080 16:9 10点マルチタッチ | |
OS | Windows 11 Pro | |
CPU | Intel N250 | Intel Core-i3 N300 |
グラフィクス | Intel UHDグラフィックス | |
メモリ | 16GB LPDDR5 4800 | |
ストレージ | 512GB M.2 2280 SSD (PCI Express 3.0 x4接続) | |
インターフェース | USB 3.2 Gen2 Type-Cポート × 2 (10Gbps、PD、DP 1.4) USB 3.2 Gen2 Type-Aポート × 2 HDMI 2.1ポート RJ45(LAN)ポート microSDカードスロット イヤホンジャック | |
センサー・その他 | ステレオスピーカー カメラ、マイク トラックパッド バックライト付きキーボード アクティブ冷却 指紋認証一体型電源ボタン | |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.2 | |
バッテリー | 27.5Wh | |
大きさ | 171.2 × 110.8 × 23.5mm | |
重さ | 490g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
GPD MicroPC 2 をレビュー
GPD MicroPC 2(Intel N250 / 16GB / 512GB)をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作感、ベンチマークテスト、評価すべき点や欠点について解説します。
付属品

1. マニュアル
2. 電源アダプター
3. USB Type-Cケーブル
4. ストラップ
大きさ・重さ

大きさは 171.2 × 110.8 × 23.5mm、重さは 499g(実測値)
航空機グレードの ABS樹脂素材を採用した筐体で、軽量でありながら耐久性に優れています。
本体デザインは GPD Pocket 4 に似ていますが、よりコンパクトに設計されています。
指紋や皮脂が付きにくいコーティング加工が施されており、チープさは感じられず、全体的に洗練された印象の外観に仕上がっています。
サイズ感

参考として、広げた状態の GPD MicroPC 2 と iPhone 15 Pro を並べてみました。
片手でも楽に持ち運べるサイズ感で、置き場所にも困りません。

閉じた状態では、スマホをひと回り以上大きい程度のサイズ感です。
小さなバッグにもすっぽりと収まり、持ち運びのストレスも感じにくいのが魅力です。
インターフェース

インターフェースは充実しており、背面には USB 3.2 Gen2 Type-Cポート (10Gbps、PD対応、DisplayPort 1.4対応)が 2つ、microSDカードスロット、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート、HDMI 2.1ポート、RJ45(有線LAN)ポートを搭載。

右側面には、USB 3.2 Gen2 Type-Aポートと指紋認証一体型電源ボタン、左側面にはイヤホンジャック、ストラップホールが配置されています。
ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 6 と Bluetooth 5.2 に対応しています。
また、本体左右にはスピーカーが搭載されています。

正面にはバックライト付きのキーボード(US配置、ドームスイッチ、キーストローク 0.5mm、キーピッチ 11mm)のほか、左上にはマウス 3ボタン、右上にはタッチパッド(29 × 54mm)、左上にはマイクが用意されています。

背面左側には内蔵ファンの吸気口があり、熱を上部の排気口へ放熱します。
静音タイプのシングル冷却ファンが搭載されています。ファン回転の制御は自動です。
騒音計で実測したところ、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは最大30dB でかなり静かです。図書館のような静かな場所でない限り、気になることはまずないでしょう。
画面

180度回転・折りたたみが可能なヒンジを採用しています。
画面サイズは 7インチ(16:9)で、解像度は 1920 × 1080 、10点マルチタッチスクリーンで、従来モデルよりも大幅に視認性が向上しています。
表示スケールは標準で 150%(推奨)に設定されており、実際に使ってみてもこの設定がもっとも見やすく感じました。なお、スタイラスペンには対応していません。

画面は反時計回りに 180度回転し、最大開度も 180度となっています。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは最大60Hz です。
画面の輝度(cd/m2)を測定したところ、最大297nit を記録しました。
屋内では十分に視認できる明るさですが、屋外ではやや見にくい明るさです。

ノートPCライクな使い方だけでなく、タブレットモードとしても使える 2in1構造です。
画面回転機能(加速度センサー)を備えており、縦画面・横画面のどちらにも対応します。
気になるヒンジ部の強度については、周囲には ABS素材が採用されていますが、ヒンジそのものはステンレス鋼を使用した粉末冶金で作られており、簡単に折れるような強度ではありません。
使用感

従来モデル GPD MicroPC と比較して、主要スペックとデザインが一新されています。
画面サイズは 7インチへと大きくなり、解像度は 1920 × 1080 へと向上、Intel N250 または Intel Core i3-N300プロセッサを搭載と、基本スペックも大きく進化しています。
本体デザインは GPD Pocket 4 に似ていますが、本体サイズは GPD WIN Mini に近いサイズ感です。インターフェース面では RS-232ポートが廃止された一方で、筐体の質感が向上し、指紋認証一体型電源ボタンが追加されるなど、現代的なセキュアにも対応しています。

キーボードやタッチパッド、3ボタンマウスの使い勝手は従来モデルから向上しています。
キーサイズや配置はやや特殊なレイアウトではあるものの、キー数が増えたことで操作性が改善され、輝度や音量の調整キーも独立して配置されており、より直感的に扱えるようになりました。
通常のスタイルに加え、画面回転や開閉角度の自由度、両手で持ったまま操作できる利便性など、汎用性の高さも魅力です。ネットワーク技術者向けのプロ仕様として、OS には Windows 11 Pro が搭載されている点もポイントです。

本体の重量バランスが良く、小さなバッグにも収まる持ち運びやすいサイズ感が好印象です。
しかし、画面を開く際のヒンジはやや硬めでしっかりした作りのため、片手で開けるには少し力が必要です。
汎用性は高めですが、ゲームプレイやウェブ会議などにはやや不向きです。
GPD社のコンセプトのとおり、ネットワーク技術者向けに特化した設計となっているため、スペックは控えめでカメラも非搭載です。

スマホ用の少し大きめなストラップを付けても違和感がなく、本体サイズが小さいため、首掛けタイプのネックストラップと組み合わせても便利に使えます。このサイズ感だからこそ、しっくりくる完成された携帯スタイルが実現できていると感じます。
個人的にはドンピシャで好みに刺さる製品で、ぜひ手元に置いておきたい唯一無二の 1台だと感じました。Intel N250モデルは部品調達の都合から製品版の入手が難しいようなので、Intel Core i3-N300モデルを狙いたいところです。
ストレージ状態

GPD MicroPC 2 のストレージ容量は 512GB です。
パーティションはあらかじめ分割されており、販売ストアによっては 1TB~4TB の内蔵ストレージ容量をオプションでカスタマイズすることも可能です。
搭載されている OS は「Windows 11 Pro」です。
日本語に対応しているので、問題なく初期インストールを進められます。
GPD製品(GPD WIN 2)で何度もSSD の換装をしていたところ、ライセンス認証ができなくなりました。問い合わせするのも時間がかかり面倒、新しい OS を購入するのは高すぎる。ローリスクハイリターンな格安ライセンスを手に入れろ![…]
本体の初期化
万が一のトラブルがあっても、初期化ユーティリティで解決できます。
下記の手順を参考に進めてください。
- 電源オフを確認
- 電源ボタンを押す
- Tabキーを長押し
- Boot メニューが表示されたら「Start」をタッチ
- Restartボタンが表示された場合は押す
- しばらく待つと完了
GPD MicroPC 2 のベンチマーク

GPD MicroPC 2(Intel N250 / 16GB / 512GB)のベンチマーク結果を確認します。
設定・環境によっては変わることがあるので、参考程度にとどめてください。
冷却能力

ベンチマークテストで負荷をかけた状態の温度を計測しました。
負荷がかかった場面でも、排気口以外に発熱が気になる部分はありませんでした。
ストレージ速度(SSD)

GPD MicroPC 2 に搭載されている M.2 2280 SSD のストレージ速度です。
Western Digital PC SN540 が搭載されています。
ストレージ速度(microSDカード)

microSDカードのストレージ速度です。
SAMSUNG EVO Plus A2 V30 microSDXC UHS-Iカードを使用して測定しています。

ベンチマークテスト結果
ベンチマークテストの解像度設定は、いずれも 1920 × 1080 です。
解像度と拡大/縮小率は、各ベンチマークテストの設定値と一致させています。
ベンチマークテスト | スコア |
PCMARK 10 | 3439 |
3DMARK Time SPY | 674 |
3DMARK Fire Strike | 1894 |
3DMARK Night Raid | 7181 |
3DMARK Wild Life | 5014 |
CINEBENCH Release23 | 3078 |
CINEBENCH Release23(Single Core) | 958 |
まとめ

GPD MicroPC 2 は、2019年に登場した初代 GPD MicroPC の後継にあたるモデルです。
画面サイズは 7インチへと大きくなり、Intel N250 または Intel Core i3-N300プロセッサを搭載するなど、基本スペックも大きく進化しています。
従来モデルと比べて、Windows 11 Pro を搭載しているほか、180度回転・折りたたみに対応したヒンジや指紋認証一体型電源ボタンが新たに採用されています。さらに、キーボードのキー数やサイズも見直され、操作性が大幅に向上しています。
一方で、従来モデルに搭載されていた RS-232ポートは廃止されており、価格もやや上昇傾向にあります。また、ネットワーク技術者向けのプロ仕様というコンセプトで設計されているため、スペックは控えめでカメラも非搭載です。そのため、使用するシチュエーションによっては制約を感じるかもしれません。
一般的なノートパソコンと比べると操作感に多少の慣れは必要ですが、それに引けをとらない汎用性の高さが魅力の UMPC です。普段はスマホやタブレットを使っている一般ユーザーや、簡単な事務作業をPCでこなしたい人にもおすすめできるモデルと評価します。
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