中華ゲーム機「Powkiddy RGB20SX」レビュー|正方形ディスプレイを採用した縦型モデル

中華ゲーム機「Powkiddy RGB20SX」は、2023年上期で人気を集めた Powkiddy RGB30 と同じ正方形ディスプレイを採用した縦型モデルです。アスペクト比 4:3 の画面出力の崩れや伸縮させることなく表示させることが可能です。

Powkiddy RGB20SX の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。

Powkiddy RGB20SX の価格・販売ストア

Powkiddy RGB20SX は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、全4色(イエロー、クリアホワイト、クリアブラック、クリアブルー)です。

・Powkiddy RGB20SX
 一般販売価格:14,999円(送料無料)
 アマゾンでの販売価格です。

Powkiddy RGB20SX のスペック

Powkiddy RGB20SX のスペックを詳しく見ていきます。
スペック自体は Powkiddy RGB30 と大きくは変わりません。

製品名 Powkiddy RGB20SX
システム Linux
画面 4インチ液晶ディスプレイ
IPS 1:1、解像度 720 × 720
SoC RockChip RK3566
RAM 1GB LPDDR4
ストレージ microSDカード
バッテリー容量 5000mAh(10時間駆動)
インターフェース USB Type-C × 2、イヤホンジャック、
microSDカードスロット × 2、
miniHDMI、ステレオスピーカー
ワイヤレス通信 WiFi、Bluetooth
大きさ 143 × 87 × 22mm
重さ 220g(実測値)

免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。

Powkiddy RGB20SX のレビュー

公式ストアで購入した Powkiddy RGB20SX をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。

付属品

1. デコレーションステッカー
2. ユーザーマニュアル(英語・中国語)
3. USB Type-Cケーブル

大きさ・重さ

大きさは 143 × 87 × 22mm、重さは 220g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、重さは『標準』です。

クリアカラーの本体は、マットな質感で磨りガラス調な透け感のある色合いです。
表面コーティングはありませんが、成形精度や組み立て精度が高いです。

クリアブルーというよりも『フローズンブルー』といった感じで好印象です。
基板カラーがホワイトということもあり、引き立っています。

サイズ感

参考として、初代ゲームボーイと RG35XX 2024 を比較してみました。
いずれも実測値をベースとしたスペックです。

製品名 画面サイズ 大きさ 重さ
初代ゲームボーイ 2.45インチ 148 × 90 × 32mm 220g
Powkiddy RGB20SX 4インチ 143 × 87 × 22mm 220g
ANBERNIC RG35XX 2024 3.5インチ 117 × 81 × 22mm 173g

標準サイズなので、ポケットに収納するにはやや窮屈な感じです。
重さは電池を含まない初代ゲームボーイと同じで、本体の重心は持ち手側です。

また、Analogue Pocket よりも画面サイズは大きく、重量は軽いです。

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インターフェース

インターフェースは、上部に miniHDMIポートを用意し、下部に USB Type-Cポート(給電・充電用、OTG)、イヤホンジャックを備えています。

本体正面のコントローラー中央に、シングルスピーカーを搭載しています。
ボリューム出力は十分で、音質もそこそこ良好です。

左側には電源ボタン、リセットボタン、microSDカード(ゲームデータ用)、右側には音量ボタン、microSDカード(Linuxベースのシステム起動用)を用意しています。

バイブレーション機能、ワイヤレス通信機能(Wi-Fi、Bluetooth)を搭載しています。
バッテリー容量は 5000mAh で連続10時間駆動です。

画面

正方形ディスプレイを採用したモデルです。
4インチ液晶ディスプレイ(1:1)、解像度は 720 × 720、画素密度は 255PPI です。
ガラスレンズはロゴなし、下部のベゼル幅がやや太めのものを採用しています。

液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がほぼないフルラミネーションディスプレイを採用しているため、反射面が少なく、高コントラストでクリアな映像を実現しています。

定番レトロゲームをピクセルパーフェクトで表示できるのが最大の魅力です。
アスペクト比 4:3 の画面出力の崩れや伸縮させることなく表示させることが可能です。

画面の明るさを輝度(cd/m2)を測定したところ、最大334nit を記録しました。
明るさは普通で、屋内では十分に視認できても、屋外ではやや見にくいです。

一部のエミュレーター(Drastic)の設定画面が小さすぎて、目視では設定変更が厳しいことや、PSP(16:9)には適していないことに留意が必要です。

操作性

操作性・押し心地は『ほぼ良好』と評価します。
ABXYボタンサイズは 8.0mm、ストロークは 1.5mm で、ANBERNIC製品の標準仕様よりも少し大きなボタンサイズです。ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。

すべてのボタンが光沢のないマットな質感で、アナログスティックは Nintendo Switch互換パーツを採用しています。ただし、アナログスティックの品質(個体差)や操作感については意見が分かれそうです。

背面の L1 / R1ボタン、L2 / R2ボタンは大きく、独立して配置されています。
ボタン形状や高さも違うので、押し間違えることはなさそうです。

ボタンを押した際の音は START や SELECT 、FNボタンのカチカチ音が高めで、L2 / R2 ボタンがやや高めですが ANBERNIC RG35XX に近いポチポチといった感じです。

システム

Linuxベースのシステム(ROCKNIX)を採用しています。
わかりやすい初心者向けのシステムで、初めてのユーザーでも使いやすいです。

個体差なのかシステムのバグかは不明ですが、充電中のランプが点灯しないことやバッテリー表示が正確ではないこと、スリープからの復帰時の動作が不安定といった挙動が確認できました。

有志による CFW(カスタムファームウェア)の開発も進んでおり、導入することでカスタマイズ性の向上や、システム全体が改善される見込みです。Powkiddy RGB30 の CFW が動作するので、必要に応じて使用することをおすすめします。

エミュレーター性能

エミュレーター性能は、ANBERNIC製品の RG353シリーズと同等です。
主要スペックに RockChip RK3566 を採用したモデルで、スペックシート上で比較すると Allwinner H700 よりも電力効率やパフォーマンスなどがやや優れています。

動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、プレイステーション、ニンテンドーDS が快適動作、NINTENDO64、ドリームキャスト、PSP がそこそこ動作するスペックを搭載しています。

正方形ディスプレイとアスペクト比(1:1)ということもあり、定番レトロゲームを大画面で快適に遊ぶことが可能です。DSエミュレーターを縦長表示にして遊ぶこと(疑似タッチ操作)もできます。また、PICO-8 を遊ぶのにも最適なモデルです。

記事執筆時点では、システムの完成度が低く、本来ならば動作するはずのエミュレーター性能がうまく発揮できていません。そのため、スペックに対して負荷が高いエミュレーターでは動作が厳しいシチュエーションが確認されています。

ただし、この問題は CFW(カスタムファームウェア)を導入することで改善できます。
あくまでも標準システムの完成度が低い問題です。

初期設定・使い方

Powkiddy RGB20SX の初期設定や使い方を解説します。
ここでは基本的な設定や使い方をご紹介します。

日本語化

一番はじめに行うのはメインシステムの「日本語化」です。
下記の手順を参考に進めてください。

  1. STARTボタンを押してシステムメニューを表示
  2. 「UI SETTINGS」を選択
  3. LANGUAGE を「JAPANESE」に変更して BACK
  4. メッセージが表示されたら「YES」を選択
  5. 再起動後にシステムが日本語化

基本操作

各メニューのホットキーリスト・ファンクションキーの一覧です。

グローバルメニュー

  • A:決定
  • B:キャンセルX:ROMメニュー表示
  • SELECT:クイックメニュー表示
  • START:システムメニュー表示
  • L1 / R2:ゲームメニュー移動
  • 音量上下:音量調整

RetroArchメニュー

  • SELECT+START(2回):ゲーム終了
  • SELECT+上下:音量調整
  • SELECT+音量:明るさ調整
  • SELECT+R1:クイックセーブ
  • SELECT+L1:クイックロード
  • SELECT+R2:ゲーム速度UP
  • SELECT+X:クイックメニュー
  • SELECT+Y:FPS表示

まとめ

Powkiddy RGB20SX は、正方形ディスプレイを採用した縦型モデルです。
アスペクト比 4:3 の画面出力の崩れや伸縮させることなく表示させることが可能です。

総合評価としては『玄人向け』と評価します。
最大の魅力は、定番レトロゲームをピクセルパーフェクトで表示できる正方形ディスプレイを採用していることです。また、磨りガラス調のクリアカラーの色合いもポイントといえます。

メリット
デメリット
  • 縦型モデル
  • 正方形ディスプレイ
  • カラーバリエーション
  • 大きさ・サイズ感
  • 外部映像出力
  • ワイヤレス通信
  • システム
  • 操作性△
  • ビルドクオリティ
  • シングルスピーカー
  • 技適未取得機器

一方で、標準搭載されているシステム(ROCKNIX)の完成度が低く、スペックに対してエミュレーター性能が最大限に発揮できていません。また、電源周りの不具合をはじめ、初期不良も報告されている点には注意が必要です。今後のシステムアップデートや個体差のあるビルドクオリティを加味して購入を検討するのが良さそうです。

しかし、定番レトロゲームを大画面で表示できることや PICO-8 をネイティブに動作できるという点には魅力があります。現時点では強くおすすめできませんが、有志によって開発された CFW(カスタムファームウェア)などを導入できる玄人向けの中華ゲーム機と評価します。

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